The Scratch

こんにちは。
A Study In Secretsの新沼研です。

世の中の「超簡単なのに凄い効果！」

というキャッチフレーズは大抵が、誇張か嘘です。

但し、マジックを除いて。

そうです。

マジックにおいては、「超簡単」なのに「凄い効果」の作品があるのです。

歴史に残る作品の多くが、非常にシンプルで簡単なトリックに裏打ちされています。

さらに言えば、簡単「だから」不思議と言うこともできます。

簡単に演じることのできるシンプルなトリックほど、大胆に人を欺きます。

強烈な不思議さを非常に簡単なメソッドで実現可能なトリックに、トリックの真髄を感じるのです。

私の発表してきたトリックのほとんどが「簡単」に演じることができるのは、そのためです。

そんなトリックの真髄に魅せられて、作品を作り続けています。

「The Scratch」は約10年前に考案し、進化し続けてきた私のペットトリックです。

私のトリックの中で最も「簡単」かつ、最も「大胆」なトリックに仕上がっています。

「The Scratch」には、「The Scratch」およびボーナス手順の実演・解説動画が収録されています。

あなたはトランプを取り出し、一枚のカードを自由に選んでもらいます。

「なぜ、そのカードを選んだのですか？なんとなく？実は、そのカードは、あなたの運命のカードかもしれません。」

カードケースを返すと、そこには、「Your Lucky Card」と書かれたスクラッチカードが付いています。

コインを観客に渡し、スクラッチを削ってもらうと、観客が自由に選択したはずのカードの名前が現れるのです！

「The Scratch」はクセになるトリックです。

私はある時期、周りの人間が驚くほど、「The Scratch」ばかり演じていました。

なぜか。

それは、「The Scratch」がカジュアルで、あらゆる意味で演じやすいトリックだからです。

「The Scratch」に綺麗なテーブルや、スペースは必要ありません。

皿やグラスがところ狭しと置かれたテーブルの一角があれば、そこが「The Scratch」のステージです。

カードケース一つ置けるスペースがあれば、レストランのテーブルでも、公園のベンチでも、ハンバーガーショップでも、車の中でも、どこでもOK。

あなたは「The Scratch」をポケットに入れるだけで、いつでもどこでも奇跡を演じることができます。

「The Scratch」は、新沼作品史上、もっとも簡単なトリックの一つです。

私の作品はほとんどすべて、難しい技法や複雑な記憶事項等は不要ですが、「The Scratch」はその中でも群を抜いて簡単です。

カードを観客の自由意志で選択してもらい、観客にスクラッチを削ってもらうと、観客のカードが現れます。

その間に不自然な動作や、難しい動作は一切ありません。

「The Scratch」のベースには、ある珍しいタイプのトリックがあります。

「The Scratch」が出来上がるまでの背景を考察するとともに、根本にある原理について、掘り下げて考察します。

さらに、「The Scratch」とは一見、全く異なる予言トリック「DEHANAI（デハナイ）」をボーナストリックとして収録しています。

おそらく、「The Scratch」と「DEHANAI」は、原理的にも現象的にも全く異なる作品に見えることでしょう。

しかし、根本に「あるアイディア」を共有しています。
意外な共通点と、トリックの表層に惑わされない「発想の転換」をあなたのものにしてください。

一組のトランプの中から一枚のカードを自由に選んでもらいます。

あなた（＝マジシャン）は、予言のカードを取り出してきます。例えば、予言は「ダイヤの9」。

しかし、観客の選んだカードは「ダイヤの9」ではありません。

失敗かと思いきや、「いえ、よくみてください。ダイヤの9ではないことはわかっていました。」と言って、予言のカードをよく見てみると、端の方に小さい字で、「ではない」と書かれています。「ね？ダイヤの9ではないでしょう？」と言いますが、観客からは失笑が漏れます。

いえいえ、これは本当はすごいことなのです。と言って、残りのデックを確認すると、全てのカードは「ダイヤの9」であり、ダイヤの9「ではない」カードは観客の選んだカードだけであったことが示されます。