Card Collector

こんにちは。新沼研です。

David Yoshida氏の最新作「Card Collector」をご紹介します。

「やられた！美しい！」

それが、David Yoshida氏から「Card Collector」の原型のアイディアを聞いた時の私の心の声でした。

「美しい」マジックは「テーマ」「現象」「トリック」の全てが絡み合っており、そのどれもが、それとしかありえない形でそこに鎮座しているような作品です。

何よりも私自身が欲しい。演じてみたい。

そう強く思いました。

「Dream Tour」「Magical Coupon」「Six Sense」「Hermes Deck」「Dream Tour 2」「Soul Mate」等々、クリエイターデビューからわずか一年間のうちに数々のユニークな作品を生み出してきた氏が放つ、新境地。

正に一周年記念作品に相応しい作品が完成しました。

あなたは、二組のトランプを取り出します。

一組はよく見る普通のトランプ。

もう一組は、様々なトランプから一枚ずつ寄せ集めて作った裏が全て異なるトランプです。（こちらをレインボーデックと呼びます。）

あなたは、カードをコレクションするのが趣味だと言い、レインボーデックを広げて見せます。

「このカードのコレクションを使って不思議な現象をお見せしましょう。」と言って、観客にレインボーデックの中から表向きで自由に一枚のカードを選んでもらいます。

もう一組の普通のトランプを取り出し、「一枚ずつ表向きにしていき、同じカードが何枚目に出てくるか見ていてください。」と言います。

しかし、観客の選んだカードは現れません。観客は「５１」枚まで数え終えてしまいます。つまり、観客のカードだけ足りないのです。

あなたは、不思議な顔をしてから、思い出したように「ああ、そういえばこの前、このトランプからも一枚拝借して、コレクションに加えたのを忘れていました。裏向きに取ったのでなんのカードか気にしていませんでしたが、もしあなたの選んだカードがそのカードだったら、ちょっとした奇跡ですね。」

そう言って、観客の選んだカードの裏を見ると、見事にもう一組の裏と一致するのです。

レインボーデックは私自身にとってもずっと気になっている素材でした。

全てのカードの裏面が異なるという、レインボーデックは非常に魅力的な素材である反面、非常に扱いにくい素材であると感じてきました。

一つに、「全ての裏が異なる」という、トランプとして役に立たない奇妙な存在について、どう説明をつけるのか。

さらに、現象自体が、レインボーデックを使うことによって映えるものなのか。

そして、巧妙なトリックでその現象を支えることができるのか。

考えなければならないことが山済みなのですが、これらの課題に最も綺麗に答えてくれた作品が「Card Collector」です。

「Card Collector」のために特別に用意した、美麗なレインボーデック（トリックデック）が付属します。

眺めているだけでも楽しいトリックデックですが、見るものを欺く巧妙な仕掛けが施されたデックです。

難しいことは何もいらず、全て特製デックが解決してくれます。

※ご注意：パッケージのデザインはイメージです。付属のレインボーデックは異なるデザインとなります。