圧倒的な差別化をはかる
スクリプト・マヌーヴァは2012年より「できるマジックの数が増えるタイトル」よりも、みなさんの「マジックの質を上げるためのタイトル」をリリースしてきました。
例えば、あなたの演技をより不思議にする「ファイブ・ポインツ」、あなたの演技をより盛り上げる「オーディエンス・マネジメント」、そしてあなたの演技をより独創的にする「ファウンデーションズ」。
「ヒューミント」はこの流れに連なる、パフォーマーとしてあなたの演技の質をより高めるための書籍です。
マジックの強烈な不思議さはもちろん、パフォーマーとしての存在感や魅力を他のマジシャンと比べて「圧倒的に差別化させる」ためのものです。
あなたの演技をより体験的に
そのためのキーワードは「体験的」。
ここでいう体験的とは「観客の手の中でスポンジボールが増える」という類のものではありません。
それよりも観客の想像力を刺激することで、単に「マジックの演技を観た」だけでなく、マジックというものの存在を知っていたとしても想像していなかったあり得ないことが「自分の世界の常識に、日常に流れ込んでくる感覚」を引き起こす強烈な体験のことを指します。
今までマジックの解説として語られてこなかったこの部分について、具体的な手順やテクニックの例をあげながら論を展開させていきます。
加えてそのような自分を作り上げていくための素養についても語っていきます。
高いのには理由があります
本来強調してはいけないことだと思いますが、この書籍には高めの値段がついています。
税込みで6500円超。
手順の解説がメインではないのに、6500円超。
びっくりされたと思います。
僕らもびっくりしました。
もともと必要なコストを計算して最終的に出た金額ですしそれだけの価値があると自信を持って言えるものですが、さすがにこれは…と。
しかし最終的にこれでいくべきだ、と考えました。
何度も強調しますが、これはどうすれば他のマジシャンと「圧倒的な差別化をはかれるか」について書かれたものです。
マジックの世界では独特であることが美徳とされ、オリジナリティが大切だ、と言われ続けてたものの、その分野に深く踏み込んだ解説は今までありませんでした。
もし本当にあなたがマンネリ化した演技から決別できるとしたら、他者と決定的に異なるパフォーマーになれるとしたら、この金額は高いものでしょうか?
どこかで見たようなマジック、どこかで見たような演じ方を続けることを良しとされる人は、この本は買わないでください。
隣に立っているだけで凡庸なマジシャンを淘汰する、そんな圧倒的な存在を目指す方へ。
Dr. Zuma氏が、ご自身のブログでこの本について書いくださいました。
許可を得て一部を抜粋させて頂きます。
とんがってる男・北原禎人氏から新書「HUMINT」を献本してもらいました。
送付元のスクリプト・マヌーヴァ社の滝沢氏が私へのメールで、これまでのマジック関連本では扱ってこなかった内容に踏み込み、北原氏本人をそのまま映したような本です…と紹介されていましたが、まさにそんな感じです。
(中略)
その文章や表現、考え方には賛否両論あることでしょう。
私が気に入った一部を抜粋してみると…
『夢を与えたいだとか、他人を幸せにしたいなどというのは演技をするのであれば演技に埋め込めばいいものであって、埋め込めない者が口で言って補足する為のものではない。
口にすれば演技者としては蛇足でしかないのだ。
夢を与えたければ与えればいい、他人を幸せにしたければすればいい。
何か違うだろうか。
何故それを叫び続けなければならない状態を健常としてしまえるのかと言えば、演技がクルクルパアなのである。
』
『Derren Brown を見て、彼のアプローチを表面的に捉えて憧れ、彼の他人の体験へのアプローチをDB本人がそうではないと断じている「コントロール」という言葉で誤解しながら真似事をしている連中は、ただ「能力」というものの響きにシビれているのだ…(中略)劣化コピーが生産される根源に常にあるのは、オリジナルの表面だけを対象に採用する処にある。
』
『変な集まりに何かのおこぼれを期待して顔を出すのではなく、自分がダメだと思った社会には背を向けて安易に馴染まなければ、貴方は健康でいられるだろう。
』
このような内容の本を29歳の人間が出版すれば風当たりが強いであろうことは容易に想像できますが、アスリート(サッカーの本田とか)に置き換えれば、この世代がとんがっていても私は何の違和感も感じません。
(中略)
そう考えると、この本は彼の「名刺」…いや、とんがってる北原というマジシャンの「取り扱い説明書」なのかもしれません。